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第1回 株式会社フォーバル社長 大久保 秀夫氏

株式会社フォーバル社長 大久保 秀夫氏

Tradition Japanは薄れゆく古き良き日本の伝統、しきたりや風習を様々な角度と分野から表現し、守り続けて行く組織です。Tradition JAPAN Special Interviewでは、各方面で活躍されている方々と共に、独自の「日本」について矢作千鶴子と追求していきます。

本日のお相手

大久保 秀夫(おおくぼ ひでお )氏
大久保 秀夫(おおくぼ ひでお )氏
株式会社フォーバルの創業者.社長 東京商工会議所議員・新分野進出支援委員会副委員長

第一回/対談のお相手は 起業家として多くの日本人に影響を与えている大久保氏。 彼の描く「日本の美」とは。 大久保氏に続くゲストは大久保氏のご紹介者です。 大久保 秀夫(おおくぼ ひでお )氏 株式会社フォーバルの創業者.社長 東京商工会議所議員・新分野進出支援委員会副委員長 若手ヴァイオリニストにチャンスを与えたいという理念で、Forval Scholarship Stradivarius Concours 開催。 多くの若手ヴァイオリニストを世界に送り出す。 ソフトバンクの孫正義と親交が深い。

矢作:第1回目ということで、私の大好きな株式会社フォーバルの会長・社長の大久保秀夫さんにお越しいただきました。

大久保:大久保です。よろしくお願いいたします。

株式会社フォーバル社長 大久保 秀夫氏

矢作:大久保さん、ホームページとかいろいろ拝見させていただくと、剣道もなさっていたんですか。

大久保:はい、やっていましたよ。柔道も剣道も空手も。

矢作:そうですか。柔道、剣道、空手というと、やっぱり礼に始まり礼に終わる。

株式会社フォーバル社長 大久保 秀夫氏

大久保:そうですね。僕はね、5つのとき、交通事故にちょっと遭ってね、非常にリハビリしなくちゃいけなかったんです。少しでも何かスポーツをして足腰鍛えなきゃいけないということから、剣道とか柔道とか、最後は空手まで至って、いや、何かだんだんはまったんだね、日本の武道の面白さに。 それで少しリハビリしようということで、剣道はそんな歩くわけじゃないので、でも足腰の訓練になるんで、まず剣道から始めようかなということで始めて、そして高校になってから柔道始めて、そして並行して空手も始めてという感じになったのね。

矢作:そうですか。

大久保:とってもスポーツというか、武道は好きですね。

矢作:今、オリンピックでも柔道がだんだんスポーツになってしまって。柔の道ではなくて。

大久保:そうそうそうそう。

矢作:「柔道スポーツ」になった。

大久保:うん。

矢作:「礼に始まり礼に終わる」はあったとしても、「道」が無くなったような気がしますが、どうですか。

ワールドワイドの中に取り込まれて、日本古来の「道」が希薄になってきている。

大久保:そうね。今すごく僕が憂いているのは、日本で始まった、国技である相撲も柔道もそうだけどね。日本古来の人が頑張っているというよりも、柔道も何かワールドワイドの中に取り込まれて、日本古来のあり方が何かすごく薄くなってしまって、形を変えた柔道になってしまったりとか、相撲にもおいても、「これでいいのか日本人」みたいな感じの中で「日本古来のものは日本人守れよ」と言いたくなる。ちょっとスポーツを通しておいては、情けないかなという感じするね。

矢作:スポーツだけではなくて、実はこの着物の生地自体も、聞くところによると日本ではつくっていない傾向がどんどん続いています。

大久保:ああ、そうなの、ほう。

矢作:ものによっては6割ぐらいは海外で。

大久保:ああ、そう。

矢作:はい。結局、何でかなとは思うんですけれども、当然需要がなくなってきたというのが最大なる原因かもしれませんが、やっぱりスポーツと同じで、何か道がだんだんなくなってきているという気がします。

大久保:それって本当に僕は悲しいと思うんだね。

株式会社フォーバル社長 大久保 秀夫氏

矢作:はい。

大久保:例えば、海外行くと、アメリカ行っても、ヨーロッパ行っても、自分の国の歴史を語れるんだよね、若い子たちがね。特に宗教を中心としてね。本当によく知っている。また誇りを持っているね。日本人はというと、日本の若い子は、自分の国の歴史とか文化について語れないんだよね。これってすごくさみしくて、僕は、バイオリンのストラスバリューというやつを、若い芸術家に貸しているわけ。もう昔からね。それには理由があって、僕は海外で仕事することが多かったんだけど、そうすると必ず向こうの一流のビジネスマンの方と話していると、文化の話とか芸術の話とかなるんだけど、日本の商社マンというとお金もうけの話ばっかり。結局、日本人はただお金もうける動物なんじゃないかという意識をされた時期に、僕はすごい恥ずかしかったわけ。とりわけヨーロッパなんか行くと、そういう文化のことを語れない人間は、二流だという扱いなんだね。それで僕は、じゃあ何かを学ぼうということで、バイオリンをベースに、文化を語れるようになろうかなということから、バイオリンに興味持って、僕は弾けないものだから、日本の優秀な芸術家に貸して、優秀な芸術家にストラスバリューを貸出して世界で活躍してもらって、日本からも音楽家を育てていきたいなということでやっているんだけど、合わせてそういう文化とか芸術の大切さというのは、企業経営者にとっても実は必要なのだということを、身に染みたから始めたことなんだよね。

矢作:そうですか。そういうところで同じようなことを考えていたんだなと思うと、本当にありがたいなと思います。

大久保:そろばんってあるでしょう。みんな僕たちはそろばんを覚えたわけなんだけど、今電卓じゃない。だけどあのそろばんの良さというの大事だということで、日本のそろばんを発展途上国含めて、たくさん寄付をして、そろばんのよさというのを知ってもらおうという、そういう僕の親友がいるんです。さっき空手の話した僕の友人ですけど、彼は、カンボジアとか、そういう発展途上国に行って、そこの地域の軍隊とか警察の方に無料で日本文化の伝統の空手を通して日本を知ってもらおうということで、ボランティアでずっと途上国回っているわけ。最近やっと日本人も、日本の持っている良さをどんどん知らせないといかんということで、気付き始めたんだね。こんな日本人の姿もあるのに、着物が海外でつくられてくるって悲しいじゃない。

矢作:いや、悲しいですよ、それは。

大久保:やっぱりそういうところで、何か違っちゃってんだよ。さっきのお相撲と柔道と同じようにね。

矢作:はい。

大久保:それをもう1回元に戻そうという動きが少し出始めたということは、いいかもしれないね。

矢作:そうですね。1964年の東京オリンピックのときから柔道が始まったと思うのですけれども、それを皮切りにヨーロッパのほうに柔道の師範等の人たちが行って、多分「道」を教えに行ったと思うのですよ。

大久保:そうそうそう。

矢作:多分「道」を教えに行っても、日本人の魂を知ったぞというところから、だんだん勝ちに入ってくる。

大久保:そう。

矢作:すなわちそれが、何かさっきおっしゃったビジネスに入っていって、金とカネが何かダブルような気がするんです。

大久保:今の実際、日本の経営も同じであって、いろんな人がハウツー本書くでしょう。

矢作:はい。

大久保:あんなの書いたってよくなんないですよ。なぜかっていうと、今の若い経営者とか見ていても、いわゆる「道」が分からないんだよ。すなわち経営とはどうあるべきか。人間ってどう生きるべきかということをしっかりブレない「道」を持った上で、さらに良くするためにハウツー論学ぶことは大賛成なんだけど、経営者と話していても、お宅の会社どうあるべきと思いますかといったときに、あるべき論がしゃべれない。あなた自身どうあるべきだと思いますかって自分の人間論がしゃべれない。そういう人がハウツー本ばっかり読んでも駄目であって、柔道もそうだけど、土に根差した元のとこのことが分からずに、枝のテクニックばっかりやったって駄目だよね。 カスタムだからみんな手段、経営だったらばお金稼ぐ手段であって、本来経営とは何か忘れられちゃっているというのが今一番問題で、リーマンショックによって、今世界でもう1回原点に戻ろうということ気付き始めたわけだよね。

矢作:はい。

大久保:それまでは時価総額だ、M&Aだ、株価だばっかり言っていた人間が、経営は違うだろうというとこに、もう1回、目をみんな向き始めようということを盛んに言われて、社会起業家という言葉が最近に取りざたされるように、いろんなことがあってはじめて気付くことがある中で、これはもう文化とかそういうものにおいてもまったく同じだと思うね。

矢作:はい。

大久保:戻さないと。

矢作:そうですね。

大久保:より戻さないと。絶対戻ると思うよ。なぜかというと、日本は、世界に行って日本人がいるじゃない。

矢作:はい。

大久保:この人たちは、日本の文化や伝統の大切さを知っている。いや、本当だよ。

矢作:おっしゃるとおりですね。

大久保:九州の田舎にいるとき、九州にいたいと思わなかったけどね、東京来たときに同じ九州の人がいると、「あんたも九州かい」ということで、一気に方言が変わったり、九州の食べ物とか文化、伝統の話になるわけでね。

矢作:そうですね。

離れてはじめて「ふるさと」を分かる

大久保:外国行った瞬間に、「あんた日本人かい」というだけで、何かうれしくなって、日本の僕は飛行機のフラグ見るだけでうれしくなりますよ。「おお、日本航空が停まっている」、日の丸見たらうれしくなるような、日本語のテレビ見てうれしくなるような、やっぱりそういったものってみんなあるんだよね。 日本にいてそれに気付いてほしいんだが、日本にいて気付かないんだよね。田舎にいて気付かず、日本にいて気付かず、離れてはじめて「ふるさと」を分かる。それは人間の僕は本来かなと思うのね。

矢作:そうですね。

大久保:残念だけど。

矢作:本当ですね。

大久保:日本から離れて、世界に住んでいる方々が、日本の文化伝統というものを重要に感じていると僕は思っているんだよね。

矢作:まさにそうだと思いますね。「母国」って、母親の国って書きますが、産まれて20歳ぐらいになって家を出ると、うるさいなと思っている母親から外へ出ると、母親の教えとか、父親の教えを、改めてありがたく感じる。

大久保:そう、ふるさとは遠きにありて思うかなであって、結局外国に住んでいる人も大半やっぱり言うもんね。年取ったらやっぱり日本に戻りたいとか、日本で最後は暮らしたいとかいうように、東京いても最後は田舎に戻ってという人もいる。だから最近の若い子は、田舎で暮らそうとかいう子も増えてきているように、高度成長等に一瞬失った忘れられたものが、またいろんなことによって少しずつまた原点に戻ろうとしている部分があるかもしれないね。

矢作:そうですね。相当なグローバリゼーションの中で、だんだん日本独自のもの、私的には「手間」とか、「その人のために」とか、「一つ一つ」とか、そういう時間をかけるというところに美徳があると思うんだけど、ビジネス的には時間をかけることはよくないと。とにかく安くしようという流れが、日本のみならず世界中にいってしまう。すなわち、本当に大事な日本独自の日本の「性格」、母国であるこの「性格」が、どうやら希薄になっているような気がします。

大久保:それ本当にまずいね。

矢作:はい。

大久保:だけど、例えば、今着物の生地の二人とも着ているでしょう。着物という形で残れば一番理想だと僕は思うんだけど、洋服の生地になろうと、帽子になろうと、やっぱり古来の持っている日本の織物の本当の良さみたいなものが、形を変えて伝わったとしても、僕はそれはそれでいい気がするんだよね。

矢作:難しいところですね。

大久保:何もこの形だけでいかなくちゃいけないっていうことないと思うんでね。

矢作:はい。基本がわかればいいと。

大久保:ただ、やはり本来持っている良さを、何の形で表現するかということだから、あまり過去の形だけでこだわらなくていいけども、ちゃんと本質のとこは伝わっていくような形では残していってほしいと思うよね。 最近は歌舞伎なんかもそうじゃない。昔ながらの歌舞伎なのに、最近ヨーロッパに行っても、例えば、ニューヨークに行っても、現代風の歌舞伎に切り替えたりとかしているじゃない。いいんですよ。それは歌舞伎の本来のよさを失ってないから。

矢作:そうですね。

大久保:アメリカ人に違和感ないようにミックスしながらも、でも歌舞伎の本来の良さというのを伝えているんだよね。それはやっぱり時代、時代、国、国に多少マッチするようにアレンジしながらも、いいものは伝わっていくとなればいいのかなと思うし、日本からたくさんの人出るじゃない、世界に。

矢作:はい。

大久保:日本の文化をお披露目するようなことを大使館なんかどんどんやるべきだと思うし、それによってその国に住んでいる人も、日本に行ってみようということで来て、そして日本に居ついちゃう人とか、日本の京都で文化伝統好きだからやってみようという人が出るかもしれないじゃない。日本人に、もちろん知ってもらいたいんだけど、世界の人にも知ってもらうためには、やはり発信と同時に受けるということも必要だよね。

矢作:はい。

大久保:そして、目の青い人が、髪の毛が茶色い人が陶芸やったっていいと思うし、着物を染めたっていいと思うね。

矢作:そうですね。

大久保:そういう意味のグローバリゼーションが必要だと思うよ。

矢作:そうですね。伝統にあるルールを崩さない事も大切ですね。

大久保:柔道については、「道」を忘れちゃって、技に走り過ぎている人が多いような気がして、ちょっと心配だけどね。

矢作:もう1つ、今、日本で問題とするものは後継者じゃないかと思うんですね。

大久保:そうだね、後継者だね。

矢作:その後継者と思ったときに、なぜ後継者がいなくなるのかというのは、いろんな世の中の動き、それから技術革新も含めてだと思います。大事なところがフォーカスされていないというか、スポットが当たっていないのかなと、そんなことやってらんないよというのが、世の中の流れかなという気がするんですよね。

大久保:でもこれもモノの考え方だと思うよ。

矢作:はい。

大久保:例えば、着物をつくるんだということだけであるならば、着物に興味がない子はやっぱり寄ってこないよね。だけど着物というものをベースにしながらも、生地、素材に興味を持たせる。それも着物を守ることになるじゃない。だから、着物という形だけ守るよりも、着物の持っている良さ、古来のものをちゃんと伝えていって守ってくれればいいんだったらば、いろんな形にすれば、若い子たちだってたくさん僕は参加すると思うよ。

矢作:そうですね。難しい点ですね。

大久保:だから間口を広げ、興味持たせ、そこからむしろもっと極めてみたくて、本筋の王道の着物に入ってくる子っているかもしれないしね。日本の伝統を守ろうみたいなNGO、NPOをつくると、ここへ若い子が入ってきて、守るために頑張ることもあるよね。ただ、それを商売としてやろうと思うと、何か今の時代に対してどうかなと思う人も中には出るかもしれないね。 昨日たまたまNHKで龍馬のテレビを見ているときに、すごく面白かった。坂本龍馬がアメリカの黒船を見る。黒船を相手に剣なんかで勝てないと悟り、もう剣は必要ないということで、千葉道場に対して、「もうやってらんない」ということを言ったわけだね。あのときに、いわゆる千葉先生が言いたかったことは、剣は目の前の相手に勝つためだけではない、ということ。あのときに龍馬は、剣の道を忘れて大砲に負けるからもう剣はやらないと言ったけど、本質を彼は分かっていなかった。 そういうふうに考えたら、いろんな意味において、今同じような現象がたくさん僕は持っているような気がする。

矢作:まさにそうなんですね。

大久保:全部同じであって、自分の心を豊かにするためにでもいいよね。自分の祖先を知るためだっていいよね。ふるさとを知るためだっていいよね。 剣を通して知るかもしれない、着物を通してかもしれない、文化にはそこにいろんなヒントがあるわけだから。そういう見方をすると、僕はまだまだ若い人に知らせる手段というのは、実はあるような気がするね。

矢作:そうですね。外国に行って、自分の母国の自慢ができるような、歴史も含め、それから祖先や先人たちの技も含め、そういうことを言える若者が多くなってくると、元気な日本が再生する気がする。

大久保:そうね。それとやっぱり自分の国を誇れないと駄目だ。歴史を。歴史を若いやつが語って、自分の国が誇りに思えなかったら駄目だね。

矢作:そう思います。

大久保:それ根本的に日本人は足りないよ。

矢作:足りないですよね。

大久保:足りない。

矢作:石原さんの『NOと言えない日本人』の根本はそういうところにあるんじゃないですかね。

大久保:うん。

矢作:自信を持って、本当に意見を言うためにはベースが必要。そのベースがちょっと希薄になっているのかなという。

大久保:そう、ポーランドに行った男の子が、カナダへ行って、そして今早稲田の大学に来ていて、僕の授業を受けていて、たまたま彼がある授業をやりたいと言って僕のとこに来たんですよ。何の授業かというと、日本人の中学生、高校性に対して、いわゆる僕が教えたいことあると。何を教えたいんだと聞いたら、「僕たち東欧人やカナダ人は、何のために生きるか、あるいは何のために大学に行くかということは明解に分かっている。日本人の学生を見ていると、ただ有名だから早稲田行こう、慶応行こうという子が多いけど、何のためにが、ゼロじゃないけど少ない。ましてや、卒業後、何をしたいがない。大学には何か漠然とブランドで入っている学生が多いけども、自分たちはそうじゃない。自分はどう生きるべきかということを持っているから、自分で起業もするし、大手が「絶対」とは思わないというように、しっかりとしたものを持っている自分たちと、何も持っていない日本人学生を比べたときに、日本人は世界に勝てない、心配だ。それを世界を見た僕たち教えたいんだ」と言われたとき頭にきましたけど、ふざけんなと思ったけども、でも事実しかりだと思ったときに、やっぱり寂しさあるよね。

矢作:はい。

大久保:だからまだまだ問題というのはたくさんある。

矢作:はい。

大久保:だけども、あきらめたら終わりということで、文化と伝統というのは、形を変えて、いわゆる時代にフィットしたちょっとのことを考えることができるならば、僕は、たくさんの若者を引き入れていくことができると思うし、外国行った人は、それを一番分かっていると僕は思うから、そういうみんなの輪をどう使うかと考えたらば、日本の大使館世界中にあるんだから、日本の文化をもっと広めろということを、日本人会と組んでやらせることだ。

矢作:そうですね。

王道は王道の中でも、いろんな形をかえて努力すれば結構面白いものができる

大久保:そしてどんどん日本の書道を教える、剣道を教える、着物を教える、お華を教える、お茶を教えるでもいいからどんどんやれということをやっていく中で、その地域で、さっきのファンをつくり、またこっちへ来いよというしくみをつくっていく。またそれと同時に、若い子たちにNPO、NGOをまたうまく使って引き入れていく。そしてまた王道は王道の中でも、いろんな形をかえて努力すれば結構面白いものができる気がする。

矢作:面白いものができると思います。

大久保:書道家なんか知っている?すごいデザインでしょ。ばーっとパフォーマンスする物もあるよね。格好いいね。昔は書道っていうと座ってね、僕はつらかったよね。正座させられて、ああ、つまんないなあと思いながらやったけど。今は芸術だよね。

矢作:うん、でも残っていますよね。

大久保:残っている。お花もそうじゃない。時代を変えているけども、やっぱりお華の根本のとこは持っているし、書も根本残っているんだよね。だからそういうふうに、何か時代、時代に合ったスターをつくっていくことも大事かもしれないよ。

矢作:はい、そうですね。

大久保:そんなふうにすると、まだまだ日本伝統文化は捨てたもんじゃないし、形を変えても、いい形で広がっていく可能性があると、ぜひ期待したいし、またそうしていきましょうよ。

大久保:勝手なことばっかり言いましたけれども。

矢作:いえいえ、本当につながっていくというふうに確信ができましたので。

大久保:ぜひ、僕も参加して情報発信者を引っ張ってきますから。

矢作:ありがとうございます。

大久保:世界の日本から出ている日本人に、ネットワークをつくっていくということ、すごく僕大事だと思うよ。

矢作:はい。

大久保:そういうことやりながら、やっぱり国土交通省も、ただ「ようこそジャパン」ではなくて、その中でもっとテーマ性を持ったっていいと思うんだよね。

矢作:そこを「ようこそジャパン」で来たときに、「うわっ、すごいな日本って、俺達ちょっと負けだな」と思うようなところというのは、お金じゃないような気がしますね。

大久保:違う、違う、違う。「やっぱり伝統ある国だな」と、と気付かせることしないと駄目だよね。「美しい国日本」とか安倍さんも言っていたけども、今の国土交通省の「ようこそジャパン」にはないんだよね。

矢作:ないですね。

大久保:観光立国だとかいっても、もっともっと掘り下げたことをやっていったほうが響くと思うよ、外国の人には。

矢作:そうですよね。相変わらず建物主義、ウワモノ主義で、カンボジアに学校をつくるだけはみんな名前がほしいからつくるけど、中のソフトができていない。

大久保:そう、器だけではダメ。

矢作:「ようこそジャパンプロジェクト」、そのミーティングに参加したときの話ですが、秋田とか青森とか、地方のほうに外国の人は少ないと言っているんですよ。じゃあ、旅行会社さんの商品をリサーチしたのか。だって旅行会社さんのパッケージの中に、青森とか山口とかそういう地方のものが少なければ、当然、京都や浅草や秋葉原に行きますよねって。そこと何故リンクをしないんですかと言ったことがあるんですよね。やっぱり官は民を取り入れて、どういう目的を持ってこれをやってゆくのかと。何が目標なのかがないから一方的な発信だけなんですね。

大久保:そう、まったくそう思う。

矢作:はい。

大久保:でもね、嘆いてもしょうがないからさ。

矢作:はい、嘆いてもしょうがない。

大久保:これきっかけに、我々で仲間入れて発信していこうよ。

矢作:やります。

大久保:たくさんいるから、そういう仲間というのは。

矢作:もう大久保さんが来てくれたら、もう本当に百人力(笑)。

大久保:いやいやいや、もう僕はもう前座ですけどね。

矢作:いえいえ(笑)。

大久保:いやいや、もうぜひやりましょうよ。すごく大切な事だし、僕の考えに合っているし。やりましょう。

矢作:やっぱりそう思います。多分そうやって賛同される方も、場がなかっただけでという方もたくさんいらっしゃるのかなあと思いますから。

大久保:そうそうそう。こういうのはやっぱり大使館の大使経験者に僕は、ここに引っ張り込みたいね。これマスコミも一応引っ張り込みたいよね。「おまえら、これ恥ずかしくないんか」と言ってね(笑)。

矢作:でもちょっと穏やかに品よく、そして礼に始まり礼に終わるんで。

大久保:それは賛成、賛成、賛成です。

矢作:やっていきたいと思いますけれどもね。1の力が1億になっていったらいいなって。

大久保:そうだね。

矢作:地方のいろんな産業の人たちも、いいものを持っているんだけど、やっぱり大きい力に巻かれているので、そういう人たちも吸い上げていって、若い後継者とマッチメイクさせて、そういう人たちをどんどん巻き込んで、大きなトラディションジャパンで世界に行けたらいいなという。

大久保:それと後継者の話だけど、結構外国人のほうが日本人より日本のことよく知っているケースってありますよ。最近よくいろんな本を見ていると、日本で旅館を、いわゆる手伝っている外国人、あるいは陶芸やっている外国人、いろんな人がいるんだけど、そういう人たちは、日本の古い民家をつくる設計士もいるわけね。彼なんかは逆に京都に来て、その古い家にほれて、これを自分で設計してみたいということで、もう住み着いて何十年やっている人とか、もういろんなそういう人というのは、僕たち以上に日本を研究し、日本のことを知っているんだね。そして、伝統を守ってくれているという人もいるんで、もしかすると、外国人が日本の歴史を語るじゃない。歴史を大切にする国で育った人だと思うね。

矢作:そうですね。この感性がほしいですね。

大久保: ほしいね。

矢作:語ってもらいたいですね。また別枠のところに、もうそういうこのHPの中に特集を作ってみたら? それだけで若い人たちはこんな上目線で話されるよりも、そういう外の人から話された方が伝わるかもしれない。

大久保:僕が受けてきたように、刺激受けるよ。外国人に言われたくないと思うけど、事実だからね。 さっきの話のポーランドの若者が言うんだよね。 「今の日本の若い人たちはグローバルスタンダードになれない。僕たち勝てない。僕たちは大学に入って、めちゃくちゃ勉強すると。彼ら大学に行って遊んでいるじゃないか、目標ない、なぜ何だ、僕らじゃ考えられない」と。

矢作:まずいですね。日本独自の文化を守る為の情報発信源の設立というか、もうやらなければいけないって考えています。

大久保:やりましょう!!

矢作:今日はありがとうございました。

本日のお相手

大久保 秀夫(おおくぼ ひでお )氏
大久保 秀夫(おおくぼ ひでお )氏
株式会社フォーバルの創業者.社長 東京商工会議所議員・新分野進出支援委員会副委員長

第一回/対談のお相手は 起業家として多くの日本人に影響を与えている大久保氏。 彼の描く「日本の美」とは。 大久保氏に続くゲストは大久保氏のご紹介者です。 大久保 秀夫(おおくぼ ひでお )氏 株式会社フォーバルの創業者.社長 東京商工会議所議員・新分野進出支援委員会副委員長 若手ヴァイオリニストにチャンスを与えたいという理念で、Forval Scholarship Stradivarius Concours 開催。 多くの若手ヴァイオリニストを世界に送り出す。 ソフトバンクの孫正義と親交が深い。

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