Loading

Activities

TraditionJAPAN Special Interview – 第6回 柴田 晶子 氏

TraditionJAPAN Special Interview - 第6回 柴田 晶子 氏

本日のお相手

柴田 晶子(しばた あきこ)氏
柴田 晶子(しばた あきこ)氏
口笛奏者

第六回/対談のお相手は
柴田 晶子 氏 (しばたあきこ) 秋田県秋田市出身、埼玉県所沢市在住。 物心ついた頃より口笛が得意であったが、口笛にも世界大会があることを新聞で知ってから、「口笛演奏」を本格的に意識し始める。

大学経済学部卒業後、民間企業に就職するが、初出場した2008年口笛国際コンクールにて好成績を得てから、各地で演奏依頼を受けるようになり、会社を辞めて口笛活動をスタート。現在、フリーの口笛奏者として活動中。2009年より口笛講師も務める。3オクターブの音域を操り、ジャンル問わず様々な音楽を口笛で演奏する。ソロ演奏の他に、口笛奏者・髙木満理子と二人で口笛デュオ”こまりこ”を結成し、口笛デュオとしても演奏している。

<大会成績> ■2008年、第35回国際口笛コンクール (@茨城県牛久) 個人の部(女性)総合2位、ポピュラー部門優勝 ■2009年、第36回国際口笛コンクール (@アメリカノースカロライナ州) 個人の部(女性)総合3位、クラシック部門優勝 アレイドアート部門(女性)口笛デュオで第三位 ■2010年、くちぶえフェスタ「パカラマ!」 (@神奈川県川崎市) パカラマ!オブ・ザ・イヤー受賞

<演奏活動> 各種イベントでのゲスト演奏、各種福祉施設での演奏、学校の特別音楽授業参加、 ライブ活動(ホール・レストラン・バー等)、口笛教室講師

矢作:本日のお相手は、柴田晶子さんです。

柴田:よろしくお願いします。

矢作:もうじき口笛世界大会があるということですね。

柴田:5月末です。

矢作:どちらですか?

柴田:中国の青島で、その後北京でコンサートがあるので、そこまで出て帰って来ます。

矢作:そうですか。ハードスケジュールかもしれませんが、風邪や今だと花粉症が心配ですよね。花粉症は大丈夫ですか。

柴田:大丈夫です。

矢作:今の時期、三寒四温季節の変わり目に風邪を引き易いですが、大丈夫ですか?

柴田:そうですね。口笛は声帯は痛めても、歌よりは大丈夫なんですよ。

矢作:そうですか。

柴田:声帯使っていないので。

矢作:口のところだけを使うのでしょうか?

柴田:そうです。だから口内炎や、唇の怪我が影響及ぼしますね。

矢作:本当に物理的な影響ですね。

柴田:そうですね。怪我のないように過ごしています。

矢作:アツアツのものを急いで食べたり出来ませんね。

柴田:それは危険です。

矢作:ビタミン不足だと口内炎なり易いですよね。

柴田:そうです。毎日グレープフルーツ食べています(笑)。

矢作:奇麗な音を出す時のコツはあります?

柴田:舌の位置が重要です。

矢作:私はこう見えて、13年間も体育教師をやっていましたが、ホイッスルを吹く事に自信あるんです。同じですよね。

柴田:先生が吹くあれですか。

矢作:そうそうそう。私は色々な音でホイッスル吹けるのですが、それも舌で調節します。

柴田:(笑)そうですか。

矢作:それで、口笛の太い音は、口の開け方の違いですよね。

柴田:そうです。あと出している息の量です。空気の量が変わるので。

矢作:柴田さん、太い口笛の音色ってどんなですか? やって頂けますか?

柴田:私は良く出せないのですけど、低い音は太いですね。(口笛)座っているのであんまり良い音が出ませんが。

矢作:口の開け方が大きいですね。

柴田:線が太くなるのです。

矢作:どうして音が出るかっていう疑問ありますね。

柴田:高い音になると、(口笛)線が何かちょっと変わりますよね。繊細になってくるのです。

矢作:座ったままでは、肺活量に影響ありますよね。それにしても高い音ですね。すごいなあと思いますね。

柴田:ありがとうございます。

矢作:声帯使わないで、人間の体の一部で表現をして、万国の人種が出す音が同じになる訳ですよね。

柴田:そうですね。男女も同じ音です。

矢作:同じその音を使って世界大会ということになってくると、そこも興味深いですよね。

柴田:世界大会、本当に面白いですよ。ちょっと変わった人たちが集まって来るんです。一応競技大会なので順位もあるし、ライバル心や勝ちたいとか、そういう気持ちもりますが、まず口笛ってやっぱり珍しいし、日本もプロ奏者が、それ程いらっしゃらないんです。ですから、仲間意識のほうが強いというか(笑)大会で戦っているんですけど、やっぱり同じ口笛で来ている仲間っていうか, 結構アットホームな雰囲気ですね。

矢作:口笛というジャンルが一つの国や社会として見立てられるわけですよね。

柴田:そうです。

矢作:だから自分の国に帰って来て、みんなで盛り上げようって感じなのですかね。

柴田:そうです。それぞれ人が自分の国でどういう活動しているという話で盛り上がるんです。新しい吹き方を開発する人が、普通だった自分の技だから教えたくないけれど、講座とか開いてくれるんですヨ。

矢作:(笑)。

柴田:こういう吹き方、発見しました——みたいな(笑)。それをみんなで習ったり、それを各国の教室でさらに教えたりとか、結構みんなで口笛を世界に出していこうという仲間意識が強いですね。

矢作:私の中でも新しいジャンルに思いました。実は、去年かな、世界大会でちっちゃいお子さんが世界1位になったというのをテレビの報道で見ました。多分柴田さんも拝見させていただいています。第一印象で面白いジャンルがあるんだなと思いました。

柴田:そうですね。

矢作:そういう世界を見ていると、やっぱり表現というのは、人の心を打つことができればもう目的は達成するかなと思えます。一方で、そこが一番難しいところであり、目標であり、表現者としての醍醐味だと思うのですが。

柴田:私にとって口笛は、趣味だったんですよね。小さいころからずっと好きで吹いていました。そして口笛で大会があるって知って、そんな時に世の中に口笛教室という存在を知り、通い始めました。その時も趣味でした。本気で口笛やろうと思ったのは、母の勤めている老人ホームで突然演奏をした時。母がちょっと無理やりな性格もあるので、突然皆さんを集めて「うちの娘、口笛うまいから聞いて」って演奏した時です(笑)。はじめは知っている曲がいいかなと思って、懐かしい曲のようなものを吹いたんです。人前で口笛って、ちょっと行儀が悪いことって思われる方も多いという心配もしました。

矢作:お年を召している方だと、「口笛を夜中に吹いちゃいけません」とかですね。

柴田:そう、しかも「女の子が吹くものじゃない」ってのもありますし。

矢作:なるほどね。

TraditionJAPAN Special Interview - 第6回 柴田 晶子 氏

柴田:しかし、1曲吹いたら、中には涙流して喜んでくれる方とかがいらっしゃったのです。

矢作:わー すごいですね。

柴田:私は話で盛り上げることもできないし、歌をうたってもきっと駄目でしょうけど、こんなに人の心を動かせたという経験がすごく大きくて、それからどんどん表現をしたいって、丁寧に吹くことだけを考えました。その時は緊張しましたけど。

矢作:でも、柴田さんが緊張の心で吹いた事で、聞いている方にそれぞれの人生、それぞれのシチュエーションが蘇っていたのでしょうね。

柴田:多分そうでしょうね。

矢作:引き出すきっかけが口笛、私はその場には居合わせませんでしたが、簡単に想像が出来ます。

柴田:そうだったと思います。「懐かしくなりました」って感想頂きました。口笛って音色が大き過ぎないので、それも良かったのかなあと思いますけどね。

矢作:郷愁を呼び起こすという作業には、やっぱり何歳か分からないけど、想像だと戦争中を体験された方もいらっしゃるんじゃないでしょうかね

柴田:そうですね。

矢作:麦畑で口笛吹いた、そういう歌もありますね。あと美空ひばりさんの「「悲しき口笛」ですね。

柴田:そうですね。

矢作:いいプレゼントになりましたよね。

柴田:そうですね。それからも何回も定期的に演奏させてもらっていて。

矢作:そうすると、そこが人に表現するという1回目のコンサートってドキドキしながら表現者としての第一歩で、その後もちょっといい意味で欲が出てくるんじゃないですか?

柴田:そうですね。

矢作:こういうふうにしようとか。

柴田:あとは、口笛でこんな曲までできるっていう、道行く人で、口笛がすごくうまい人っていらっしゃいますが、そうではなく、練習でクラシックの曲が吹けたりとか、ちょっとリズムの早い曲も口笛で吹けたりとか、色々なジャンルの曲を挑戦して、聞いていただきたいなと思うようにはなりましたね。

矢作:新しい境地ですね。クラシックっていうと、もうシューベルトにしても、モーツァルトにしても、昔からの人達の曲を、すぐその場で表現できちゃうっていう。

柴田:そうですね。

矢作:時空を超えて。

柴田:時空——-確かに。(笑)

矢作:そこはご自身の境地としては、高尚ですね。

柴田:そうですね。私は音楽の大学を出ていませんし、音楽的なバックグラウンドは、音楽家の皆さんと比べると少ないと思いますけど、逆に無いからこそ持つ事でバランス感覚は、聞き手に近くにいられますよね。

矢作:そうですね。

柴田:ちょっと堅苦しいかなと思う事もあるんですけど。

矢作:共感します。バックグラウンドとか、確固たる勉強や、追及してきた、研究してきた事が信憑性はあったとしても、色々な角度から色々な表現を持って来たい時に、それが意外と邪魔だったりするんじゃないかなっていうのはありますよね。だから、音楽をずっとやってきた人だから、口笛を吹けるって言う考えは違うと思います。

柴田:そうそう。だからこそ、恐れを知らずにいろんなジャンルに挑戦していこうとは思っていますね。

矢作:いや、恐れは不要ですよね。

柴田:とらわれずに。

矢作:口笛の表現で3オクターブですか。

柴田:そうですね。音域にすると。

矢作:ここからここまで出すのは、いろんな楽器と比較してもなかなかすごくメリットが高いですよね。

柴田:そうですね。器楽曲とか大体そうですね。

矢作:そうですよね。クラシックのみならずチャレンジできるものの幅っていうのは、ものすごくありますよね。先日「口笛吹きと犬」という曲を聞きました。

柴田:そうです、まずやりますね。「口笛吹きと犬」という曲です。もともとトロンボーンの曲なんですけど、トロンボーンのあのブイっというのが口笛でもすごくできるので。

矢作:そこだけちょっと。

柴田:分かりました(笑)。(口笛)

矢作:おお、すばらしいですね(拍手)。そう、それをまさに聞いて、みんなはもう惹き付けられるわけですよね。

柴田:そうです(笑)。

矢作:楽器にはない、楽器だとポーンと弾くと、それとその弾いた音だけだけど、口笛はメンタルの部分もちょっと加味しますよね。

柴田:そうです、そうなんですよ。

矢作:ちょっと微妙で調子悪い時って吹きたくないですか。

柴田:ありますね。そういう意味では、ちょっと歌に近いのかなと思ったり。

矢作:ありますか(笑)。ですよね。

柴田:はい。

矢作:本当にその世界に入らないといけませんものね。洗濯物干したけど、雨降って来ちゃったという邪念とか心配事とかあるとまずいですよね。

柴田:音に出ますね。不安気な音色とか(笑)。それがいいこともありますけどね。

矢作:そういう点ではスポーツと近いですね。

柴田:なるほど。そう考えたことはないです。

矢作:私たちぐらいの時から、今スポーツはメンタル面を重視していて、イメージトレーニングって結構重視するんですよね。

柴田:うん。

矢作:そうすると、真央ちゃんのフィギュアスケートでも、ファイナルでは成功のイメージと、それから失敗のイメージと、それともう1つのイメージというのを、確実にトレーニングするらしいんですよね。

柴田:うん。

矢作:私の場合、陸上競技ですけど、大きい大会のスタートに立っているイメージっていうのはもの凄く大事で、逃げたい訳ですよ。だって、これからお茶しに行くんじゃなくて、これから心臓パクパクで走りに行くんですから(笑)。

柴田:そうですね。陸上はそうでしょうね。

矢作:2周とか3周とか4周とか走んなきゃいけないです。

柴田:はい。

矢作:それに臨む時にイメージトレーニングってものすごく大事だから、メンタル面で十分にシミュレーションが出来ている強いと思います。歌でも口笛でも、つまんなそうにしているお客さんが来ると、そこだけでテンション落ちますよね(笑)そういう人のいるイメージなんかも。

柴田:そうですね、それは大事ですね。その場によってやっぱり全然、演奏場所によって違うし、自分の中でこうだと思っていても、場に行ったらちょっと場違いだったなんてことあるので。

矢作:ありますか。

柴田:あります、あります。

矢作:イメージトレーニングをなさるんでしょうけど、やっぱり選曲とかも。

柴田:選曲、そうですね。

矢作:選曲で、こんな事例はないでしょうけれども、凄く怖そうな人たちの集まりに招待された歌手の方も、何を歌えばいいかって考えると同じ様に、その場の雰囲気っていうのがあるでしょうね、年齢とか。どうですか。

柴田:そうです。口笛が珍しいのもあって、いろんな場所に呼ばれますが、決まった方に向けていつもやっている訳ではないので大変です。確か緊急医療の講義か何かがあって、その時の集まっていたのは、30代、40代のお医者さん。スーツをびしっと着られて、講座が始まる前に前座みたいな形で、ミニコンサートお願いしますって言われたんです。皆さん多分緊張されていたのもあって、私までその緊張が伝わってきてしまって、みんなスーツでっていうのが、あんまり見なかった光景なので、すごくちょっとあせりました。でも、私もあせったら、何か訳が分からないじゃないですか(笑)

矢作:(笑)。

柴田:だからもうそこはシャットアウトして、いつもどおりやりました。「口笛はこういうもので、皆さんは口笛吹けますか?」と訊いても反応無し。でも気にせずに続けて、「世界大会っていうのもあるんですよ」って言ってクラシックの曲を吹いたりしました。

矢作:何年前ぐらいから本格的に、口笛教室の活動をなされたんですか。

柴田:仕事を辞めて口笛一本にしたのは、ちょうど1年前ぐらいですね。2009年の1月ぐらいから始めて。

矢作:そうですか。そうすると、いろんなケースを踏んでいって、先ほどお話しなされた医療機関のミニコンサートは、いい体験になるわけですね。

柴田:本当そうですね。なので、イメトレのときは、そのときを思い出します(笑)。

矢作:気丈に口笛を吹くというイメトレ。

柴田:そうですね。仕事になるとそうなりますね。

矢作:お教室をなさっているときに、いろんな目的で来られる方々もいらっしゃいますでしょう。

柴田:さまざまですよ。おじいさんがお孫さんに口笛を吹いてあげたいからっていう理由で来られたり、あとは結構、口笛に自信があると言う事で。また、大会に出たいっていう方もいらっしゃいます。

矢作:大会のことちょっと聞いてみたいんですが。

柴田:はい。

矢作:スケートなら、芸術点とか、コンポジションとか採点のジャンルがありますが、口笛の場合どうですか。

柴田:まず、技術点というのがあります。タンギングのきれの良さ、音の正確性で楽器の技術に似た技術点、あとは音楽性。選曲と雰囲気が合っているか、どういう表現をされているかを見るポイントがあります。最後にパフォーマンスがあります。ここが口笛っぽいですけど、ステージ上でどんなパフォーマンスを見せるかと言う事です。ちょっとマイクのひもを持って躍って吹いたり、日本で小さい女の子がテレビに出ていた様に、バレエを躍りながら口笛を吹いていた事も効果的でした。

矢作:芸術点を重視するようなスポーツもそうだと思いますが、表現者をジャッジをするっていうのって非常に難しいと思うんですよね。好き嫌いもあるし、そこに評価点っていうものを数学のように公式に当てはめるわけにもいかず、フィーリングですよね。

柴田:そうですね。

矢作:そこっていうのは、ものすごく面白さでもあり難しさでもあると思うんですが、柴田さんの場合は、今までどういうことを考えながら臨まれました?

柴田:そうですね、難しいですけど、あんまりパフォーマンスのところには時間をかけなくて、私はですね、普段もそうのですが、しゃべるのも得意ではなくて、口笛だったら吹けるのですが、口笛を吹くのも抵抗があったぐらいに人前に立つのが苦手な方で、大会の直前となると、1日6時間ぐらい練習をするだけの技術点という感じです。強いて言えばやっぱり曲を選んだらその作曲者のことを調べ、バックグラウンドを調べ、どういう表現をしたいかとイメージを膨らませ、近づくように練習、練習ですね。

矢作:スポーツもそうだけど、練習をいっぱい積むと、それもいいイメージトレーニングになっていてというのはあります。

柴田:そうですね。あとは、もうちょっと具体的に言うと、私の得意とする音域っていうのが、口笛でもあるんですよ。

矢作:はい。

柴田:よく響く。あとは口笛って結構皆さん同じように聞こえるんですけど、一人一人、音、音色も違うし、得意な音域も違うんですよ。

矢作:うん。

柴田:私はちょうど高音のソとかラにあたるあたりがよく伸びるというのが自分の特性だと思っていて、あとタンギングも割と早くできるので、1曲5分っていう決まりがあるんですけど、5分の中で高い音がきれいに響くところもあれば、ちょっと早いところをうまく聞かせるようなところができるようなこととか、そういうのは考えますね。どの曲を選ぶかが一番大きいです。

矢作:
柴田さんなりに得意なところをいっぱいと出すっていう感じなんでしょうね。

柴田:だから、いい曲が見つかると、かなりそれが重要ですね。

矢作:日本の方って何人ぐらい出られるんですか。

柴田:今年は何人ですかね、5~6人は出るんじゃないですかね。

矢作:その日本の方々、いろんな世界の方々が出たときに、そのジャッジする人には、「日本人」だという目で見られますよね。

柴田:そうですね。

矢作:そこに何を期待するかっていうのがね、私にとって凄く興味深い事なんですが。

柴田:なるほど。

矢作:アート的に独自性のものを日本人の主義とか、カルチャーとか、ほかの国にはないものを見ると新鮮に、プラスアルファで見られるのではないかと思うんですが。表現を意識なさいますか?

柴田:そうですね。日本っていうことを意識しているかと言われると、でもやっぱり見た目も大事なので、着物地を出して、まず見た目のところで日本を取り入れるのはいいかなと思いますね。

矢作:うん。

柴田:あとは、いろんな方の演奏を見ていると、アメリカの方だとアドリブ、エンターテイメントに近いような演奏する事を分野にしています。日本は、クラシック部門とポピュラー部門というのがあり、クラシック部門はどちらかというと、より技術点のポイントが高いというか、楽譜どおりに正確に吹けているかというところを見ます。日本人はそこが強いですね。

矢作:そうですか。

柴田:正確に音を取って、技術的な解釈を得ながら吹く事は日本人が得意なんだなと。

矢作:気質を表していますね。

柴田:そうですね。それは感じますね。

矢作:昔から着物の生地なんかでも、縦糸と横糸をぴちっと合わせて織り込んできますが、素手でお米をつかんで、計りに入れると毎回、確実に50グラムだったりとか。

柴田:なるほど、そうですね(笑)。

矢作:50グラム、50グラム、ああいう手先の感覚とか、腹時計じゃないですけど、そういう感覚っていうのは備わって、時間にも相当厳しいですよね。

柴田:そうですね、確かに。

矢作:オンタイムに厳しい性格が技術的にの日本人っていうのはあるかもしれないし。

柴田:そうですね。

矢作:で私の場合も、何が日本らしいのかって思うときに、オンタイムっていうのはすごく、そうだなと改めて思うところで、同時にアドリブとかパフォーマンスがあまりうまくないというのも日本的かなって。どうやってやるのかっていうのがなかなか難しいですがそれを表にもっと、奥ゆかしいところを表に出せたらいいですね。

柴田:そうですね。

矢作:前の本にも書かせてもらった事ですが、絵なんかでも目線を直視するのじゃなくて、割と斜め45度とか、こうやって外すのですよね。その後ろ姿とか、裏側とか、陰と陽という2つをうまい具合にちょい出しして、そこの奥を出すのですよね。

柴田:うん。

矢作:そういうパフォーマンスの中に、何か後ろ向きで吹いちゃうとかね(笑)。

柴田:それちょっと面白いかもしれませんね。

矢作:斜めだけでこうやって、ここの外したところとかね。着物の生地もそうですが。

柴田:裏地が凝っていたり。

矢作:そういう、吹きながらふっと出すとか、ファッションショーみたいですが(笑)。

柴田:なるほど(笑)。

矢作:何かひとつ、私のテーマですけど、奥ゆかしいところを「これ見てっ!」っていう事ではなくて、ひとつ引いた、さりげない所がすてきだって思わせる方法は日本人の持っている素晴らしいところだと思うんですが。

柴田:そうですね。

矢作:パフォーマンスと曲と、着ているものと、どうマッチしたらいいんだろうって、一緒になって考えちゃいましたね(笑)。

柴田:そうですね、私もテーマです、本当に(笑)。

矢作: 先ほどもね、ちょっとお話ししていましたけど、やっぱり私のところも西洋のものと東洋のものをEast meet Westという形で表現しています。口笛の場合は、何と合わせるといいかなって考えました。割とクラシック寄りのものよりも、ギンギンのロックとかいいと思います。

柴田:そうですね。ちょっと先ほど私もはっとしましたが。

矢作:合わないじゃんっていうものを、どのバランスで合わせるかなんていうのはね、割と新しい境地なのかな、なんてね、思いますね。

柴田:はい。

矢作:さっきの真央ちゃんの話で白米3杯ぐらい行ける程話しましたが(笑)。

柴田:盛り上がっちゃいましたが(笑)。

矢作:という話ししていましたけど、真央ちゃん見てもね、彼女ってすごい強いところがあるけど、すごいミスマッチですよね。強さが見えないソフトさがあって。

柴田:そうですね。動きはとてもソフトですもんね。

矢作:ねえ。それに面持ちとか、いつもほほ笑んでいますよね。

柴田:うん。

矢作:でも内面は、もうぐらぐら煮えくり返っている、自信がすごいですよね。自信があるから、あれだけ自分を高めようと出来るのでしょうけどね。ああいう美しさをもっと、スケートのパフォーマンスで、日本人的な美しさを見せたら面白いなと思いますが。

柴田:はい。

矢作:でも、柴田さんの面持ちも、真央ちゃんのようにソフトなので(笑)。

柴田:そうですかね(笑)。

矢作:5月、いつでしたっけ?

柴田:5月26日から。

矢作:青島で日本旋風を(笑)。

柴田:はい(笑)。

矢作:着物持参で。

柴田:はい、いただいた。

矢作:パフォーマンスをやっていただいて、そして次は、韓国?

柴田:いや、来年はまたアメリカですかね。

矢作:このときには、ぜひ私も何かプロデュースを(笑)。

柴田:ぜひ、ぜひ、新しい融合を(笑)。

矢作:そうですね。融合してね、ぜひ新しいジャンルというか、それこそ世界大会で皆さんが一つの心になって、この世界を盛り上げようってしている、そこを何か新しい旋風で、また一つ上を目指していただければ、私もうれしいかなと思います。

柴田:確かにそこがチャンスだと思うんですよね。口笛ってとても珍しいので、誰かが一番、初めて始めたことが世界初になるじゃないですか。

矢作:そうですね。

柴田:可能性がやっぱり高いので。

矢作:しかもパーフェクトな、声も、パーフェクトな楽器ではないっていう。

柴田:そうですね。

矢作:エグザクトリーでない、中途にいるから何時でも変えられるという、すばらしいなあと思い、注目をしてサポートをさせていただければと思います。

柴田:ありがとうございます。

矢作:本日は、柴田晶子さんでした。どうもありがとうございました。

柴田:どうもありがとうございます。

本日のお相手

柴田 晶子(しばた あきこ)氏
柴田 晶子(しばた あきこ)氏
口笛奏者

第六回/対談のお相手は
柴田 晶子 氏 (しばたあきこ) 秋田県秋田市出身、埼玉県所沢市在住。 物心ついた頃より口笛が得意であったが、口笛にも世界大会があることを新聞で知ってから、「口笛演奏」を本格的に意識し始める。

大学経済学部卒業後、民間企業に就職するが、初出場した2008年口笛国際コンクールにて好成績を得てから、各地で演奏依頼を受けるようになり、会社を辞めて口笛活動をスタート。現在、フリーの口笛奏者として活動中。2009年より口笛講師も務める。3オクターブの音域を操り、ジャンル問わず様々な音楽を口笛で演奏する。ソロ演奏の他に、口笛奏者・髙木満理子と二人で口笛デュオ”こまりこ”を結成し、口笛デュオとしても演奏している。

<大会成績> ■2008年、第35回国際口笛コンクール (@茨城県牛久) 個人の部(女性)総合2位、ポピュラー部門優勝 ■2009年、第36回国際口笛コンクール (@アメリカノースカロライナ州) 個人の部(女性)総合3位、クラシック部門優勝 アレイドアート部門(女性)口笛デュオで第三位 ■2010年、くちぶえフェスタ「パカラマ!」 (@神奈川県川崎市) パカラマ!オブ・ザ・イヤー受賞

<演奏活動> 各種イベントでのゲスト演奏、各種福祉施設での演奏、学校の特別音楽授業参加、 ライブ活動(ホール・レストラン・バー等)、口笛教室講師

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

TraditionJAPAN Special Interview – 第5回 松井 完太郎 氏

TraditionJAPAN Special Interview – 第7回 杉山 明美 氏

関連記事

  1. TraditionJAPAN Special Interview –…

    2010.05.04
  2. Tradition JAPAN始動

    2010.02.01
  3. TraditionJAPAN Special Interview –…

    2010.04.19
  4. TraditionJAPAN Special Interview –…

    2010.03.31
  5. 第2回 株式会社グリーンテック東京 代表取締役 宮澤 龍平氏

    2010.03.14
  6. TraditionJAPAN Special Interview –…

    2010.04.19

最近の記事

PAGE TOP